土曜日∶ビーフシチュー

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土曜日∶ビーフシチュー

土曜日、私のパートはお休み。 旦那は半日出勤。昼ご飯は大きなおにぎりが定番で、帰りの車の中で食べるそうだ。 「ただいま」 「お帰り」 「夕飯、これから軽めでいいよ」 「え?」 「年齢的にもあんまり食べられなくなってきたからさぁ」 ノンビリ言う貴方に、目をパチクリさせる私。 軽め?軽めって、どのくらい? 肉体労働する日もあれば、事務仕事だけの日、肉体労働と事務仕事が半々の日、旦那の仕事は日毎内容が変わる。しかもその日になってみないとわからないし、私は仕事の細かい内容を知らない。 肉体労働の日はたくさん食べるし、事務仕事の日はそんなに食べない。抽象的な指示に困惑しながら、私は夕方になると夕飯のビーフシチューの下ごしらえを始めた。 玉ねぎ、牛肉、しめじ、舞茸、椎茸を炒める。 私の作るビーフシチューはキノコがたくさん。じゃが芋や人参は入れない代わりに、玉ねぎは大きめのくし切りにして食感を残す。 程よく火が通ったら水を入れて、沸騰したら火を止めてルーを入れて再加熱。何てことない、具材以外は普通のシチューだ。これに、サラダ、ご飯、そして明日香にはご飯の代わりにパンを用意した。 ビーフシチューとご飯なら、よそう量で「軽め」が調整できるかしらと思いながら。 「いただきます」 いざ食べ始めると、貴方はシチューをおかわりし、挙げ句の果てにご飯までおかわりしていた。 「パパよく食べるね!」 「これでも昔より食べる量減ったよ。いつか明日香に抜かされるかも」 「えー!ないない!私そんなに食べないから!」 案の定、娘にツッコまれてる。 明日からのご飯の量をどうしよう、と私は思わず苦笑いした。
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