再会橋の月の元

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再会橋の月の元

刺すような… キンとした寒空に… 凛とした 碧い満月が見おろす… 私は この痛いほどの冷気の中 臆することなく 圧倒的な存在感で 堂々と… 下界を見おろす… ここから見る月が好きだ… 『再会橋』… 誰が名付けたのか 地元の人は皆…そう呼ぶ… 辛いことがあった時 私は いつも ここに来て月を見る… 今日の月は 格別に美しい… 涙が一粒溢れた… 何故か… 月に 手が届きそうに思った… そっと 手を伸ばし… 身をのり出した瞬間 ガシッと 誰かにひっぱられた…
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