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そして、『どこで産むのか?』と聞かれたようで、これから先のことを考えて決めないといけないと思った。
「そうだね。日本で産むのか? こっちで産むのか?」
と玲央
私は、とても悩んでいた。
子宮筋腫の手術でお世話になった病院で産みたいとも思っていたし、でも、海外赴任が決まっているのだから、玲央と離れるのは嫌だし。
「どうしよう? 出産予定日は?」
ドクターに聞いてくれた。
「6月8日だそうだ」
大きなお腹で日本とシンガポールを行き来するのは難しい。
3月には7ヶ月になってしまう。
「日本で産んだ方が安心じゃない?」
「玲央! しばらく離れ離れだよ。それに、産む時は日本に帰って来られる?」
「う〜ん、そりゃあ寂しいけど……仕事の都合があるからすぐには、帰れないかもだけど、なるべく早く帰るよ!」
「う〜ん」明らかに落ち込んでいる自分が居る。
「初めての子だし、やっぱり詩音もお母さんも心配だろうし、半年ぐらい我慢して、生まれたらシンガポールに移動する?」
「え〜!」
もうマタニティブルーなのか? それを言われただけで、寂しくて涙が溢れた。
「あ〜ごめん、詩音はどうしたい? 俺は詩音のことが心配だから」
ドクターに、『とりあえず話し合ってから決まったら、教えて!』と言われたようだ。
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