異種接近遭遇 Part3

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異種接近遭遇 Part3

にこにこの人懐こい笑顔。顔はライの顔なのに、声と口調が緒方さんの青年ボイス。 ……あ、モノマネか。ライにそんな特技あったんだ──と、私は現実逃避した。 「秋良さん。僕ね、ずっと困っていたんですよ。あなたの同意をどうやって取り付けようかなって」 「同意?」 「そう。でもこうなったら、あなたの選択肢はひとつしかないんですよ。だって拒んだらあなた、サツ処分なので」 片手で首を()ねる動作をしてみせるライ。うん、何言ってるのか、全く解んない。 「だからバレて良かったって思います。今から僕の上司呼びますね〜」 待って待って待って。私、全然理解が追いついてないから! 「バレたって、何? 突然、何言いだしてるの?」 「え? だから、僕が地球(ここ)でいう所の宇宙人だってことですよ? で、僕の調査対象者は、あなた。早くしろって上司にせっつかれて大変でした」 「宇宙人……て、冗談でしょ?」 「外皮(スーツ)のファスナー、見ましたよね? 脱いでみせるのは後ほどってことで。 ──あ、ジンさん。遅くなりましたけど、了解もらったんで。はい、お願いしまーす」 取りだしたスマホで連絡を取るライの軽いこと。あっけにとられる私を、もっと茫然(ぼうぜん)とさせる事が、起こった。
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