18-years old

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 必須科目の授業でよく一緒になるA山君は、入学式やオリエンテーションの時に偶然席が近くになり、彼を見かける度につい目で追ってしまうのだという。まだ一度も話したことはないそうだが。 「それ一目惚れでは」 「かもしれない、ちょっともう、やばい」 「普通に話し掛けてみればいいじゃない」 「それができないから言ってるの……ゼミも一緒のところ狙っているんだけど、どうしよう、こっそり誰かに聞こうか?」 「知らんがな、だけどこっそりは止めた方がいいんじゃない? 真正面から、堂々と」  知的で物静かな雰囲気のため話し掛けようにも隙が無く、要するに仲良くなるきっかけが欲しいと。  大分思いを募らせているようなので、見学だけならいいよと付き合うことにした。  数日後、早速目的のサークルに立ち寄ってみれば、なんと狙い通りA山君が部室にいるではないか。彼だけじゃなく、よく見かける顔見知りの男女数名も集まっていた。  お互いに、「あ」「あ」という感じ。  サークル自体はあまり派手な感じはなく、飲み会が多いこともなく、真面目にちゃんと活動しているようで、交ざりたい時に自由気ままに参加できればいいらしい。先輩たちの印象も良く、朗らかで物知りで優しそう。  A山君がその場にいたことで入会する気満々になってしまった麻衣子と共に、成り行きで入会届を書くことになった。  でもまあ、多分こうやって、いつの間にか知り合いや友達が増えていくのだろうな。やってみてどうしても嫌だったら、ごめんなさいと言うしかない。  楽しいと不安と、はじまりもはじまりの季節、お互いに仲良くなれそうな相手を探していた。  ウインタースポーツもアウトドアも興味はなく、自分一人ならおそらくチャレンジはしない。だけど興味がない分野だからこそ世界が広がるような気がして、いいかもしれないと少し思った。  その年の春、そのウインタースポーツサークルに入った一年生の男女比は、なんと全く同じだった。  男子五名、女子五名、計十名。  その中に麻衣子が片思いしているA山君や私と麻衣子もいる。そして私の視界にはほとんど入っていなかったのだが、後に私自身の彼氏となる男も、しれっと存在していた。
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