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書簡によって、テレンスはレグナスの国力を削ぎ、より道理の分かるルーサ-を担ぎ上げたかったという意図が判明した。
アイリーンは、自分だけでなくレックスもまた父の計略で踊らされたのだと思うと、怒りが湧いてきた。
「…。怒っているのか?」
「そりゃ、そうでしょう!あなたは担がれたんですよ!」
そう答えたアイリーンに、レックスは優しい目を向けた。
「私のために、怒ってくれるのか?」
そうレックスに訊かれて、アイリーンは頷いた。
「ありがとう…。それだけで、私は嬉しいよ」
と言ったレックスに、アイリーンは彼の人の良さに改めて呆れるような、愛おしいような気持ちがこみ上げてくるのだった。
「さて、用件はもう一つあってね」
と、気持ちを切り替えるように、レックスは話題を変えた。
「お父上がお越しになるわけだが、我が城には、台所を差配する人間が今いない」
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