復讐の始まり

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「リベンさん、私お風呂入っているのよ!」 「ああ、わかってる。 これを持ってきたんだ。」 リベンさん、お盆にジュースらしきものを乗せて持ってる。 それを湯船に浮かべてきた。 このお風呂、結構広い。 私は反対側の隅で胸を押さえてるのに、気にする様子はないよ。 「そんな隅に行かずこっちに来い。 こうして風呂に浸かりながら飲む酒は格別だ。」 「お酒なの?」 私飲んだことない! てか、お酒はちょっと……。 「カクテルにしといた、飲みやすいぞ。」 そういうリベンさんは、グラスに薄い茶色の飲み物を持っていた。 あれはおそらくお酒。 そして私にって持ってきたのはオレンジ色のジュースみたいなやつ。 うーん、リベンさん出ていく気配ないんだよね。 私はそっとバスタオルに手を伸ばすと湯船に沈めた。 そして体に巻く。 「うん、ないよりマシ。」 これで手で押さえなくてもいいよね。 少しはレディの恥じらいに気づいて欲しいものだよ。 ちょっとプンプンしながら湯船に浮かんだお盆からカクテルなるものを手に取った。 クンクン…… オレンジとマンゴー? 柑橘系の香りがするね。 恐る恐る1口口に含む。 柑橘系のフルーツの香りが口の中に広がった。 「これジュースだね。」 後味に少しホワンとするくらいで、とっても飲みやすい。 お風呂に入ると意外と水分奪われるんだよね。 このカクテルなるジュースが体に染み入る感じ。 「だろ? こいつを傾けながら庭の景色を楽しむんだ。」 「庭の景色?」 確かにホテルの狭いバスルームとは違う開放感があるよね。 ふとリベンさんの方を見ると、顔がほんのり赤かった。 「ひょっとして結構呑んでる?」 「フフ、そんなには。 よし俺も風呂入るか。」 「は? え???」 いきなり服を脱ぎ出し、あれよあれよと裸になった。 そのまま私が入ってる湯船に入ってくる。 ちょ、ちょっと待ってよ!! 流石にこれは、ハズイって!! 何するのよ、この酔っぱらい!! 思っていても声に出せない。 ヘタレだよ、私。 そんなことを心の中で言ってると、隣に並ぶようにリベンさんが座った。
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