亀裂のハジマリ

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「お疲れ様です、部長っ!」 「あぁ…芳野も、お疲れさま」 先ほど購入したコーヒーを取り出し、車が発進する前に部長に手渡した。 「悪いな…ありがとう」 っと言ってそれを受け取った部長は、そのまま手を伸ばしてきて私の髪をそっと撫でた。 「っだ、誰かに見られたら大変ですっ!!!」 慌てて俯いて顔を隠した私とは違い、何か問題でもあるのか?っとでも言うように…手を握られ指を絡められる。 「……今日は外食にしよう」 突然の外食宣言に戸惑いつつも、手を握ったまま器用に運転する部長がカッコよくて…心臓は煩く音を立てて暴れ出す。 小田切課長のこととか、立花さんのことなんて全部何もかもどうでも良くなってくるから不思議。
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