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「いえいえ、もう、高橋くんには全幅の信頼を置いておりますの。
何せ私、無類の人嫌いなものですから、それで海外に居を移しておりました程ですの。
でも、高橋くんがいらしてから心が変わりました。高橋くんでなければ、きっと私は帰国してはおりませんでした」
「へぇぇぇぇ。そんな事ってあるんですね」
何か高橋さんも私の肉を一口お食べになって、意外な特殊能力を得られたようですねぇ。
「で? 俺にはどうしろと? 」
「井田さん、危生処隊は今回、『葦原班』と言う特殊な独立別働隊を組織することになりました。
政府や防衛隊主導の対策本部とは完全に別個に行動する部隊です」
「何? 米良さんが言ったの? 」
「はい。責任は米良さんが取って下さるそうです」
「へぇぇ、おっさんやるじゃない。何してもいいの? 」
「そりゃぁ内容にもよりますが、それで帝都を護れるなら。
但し、ヘドロゲンを傷つけるのはご法度です。
折角、元に戻りつつある田部ヶ島の生態系のバランスを崩さない為にも、『A』には大人しく帰ってもらいます。
我々はその為に組織されました。どうです? 一緒にやりませんか? 」
「一緒にっつったって、俺に何が出来るかい? 」
「さぁ、それはご自分で考えて下さい。
一つ言えることは、僕も葦原班長も米良さんも、あなたが必ず役に立つと考えている。
どうです? 他に理由いります? 」
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