恋する魔法少年

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俺には好きな人がいる。 「真斗!帰ろ」 「うん」 それは幼馴染で、背が高くて、ふわふわしている、真中真斗。この男だ。 「まろちゃん今日俺クレープ食べに行きたい」 「おう」 俺は少しでもこいつの隣で浮かないように、ピアスをたくさん開けた。方向性?別に間違ってない。 まあそうとは言えそもそも俺だってイケメンだし。隣のこいつといると霞むけど。 一緒に帰っていれば目を集める。この男は気にしてないのか、気付いてないのかいつでも楽しそうに笑ってる。 「クレープ楽しみだね」 そんな事を言って。 それからこの世界の説明をもう少ししておこう。そこのテレビ局のテレビ画面とか見ると、一目瞭然だ。 「〇〇県××市でモンスターの出現、が撃退した模様です。これによる被害はー…」 聞いてわかったかもしれないけど、うちではブリキュアらしき物がごくごく普通に認識されている。 「すげえよなー魔法少女」 「ね、俺らには結構程遠いけど…、」 そう言いながらクレープの長蛇の列に並ぶ。 魔法少女の実態は一般的な女の子らしい。だがそれが誰なのかは魔法少女全員わからない。ただびっくりするほど強くてカッコいいのはよくわかる。 順番が来て、作ってもらったクレープを2人でもぐもぐと食う。 「美味しいね、俺これなら毎食クレープでいいなぁ」 「胸焼けするくね?」 俺がそう言えば、真斗は俺の腕を引っ張って俺のクレープを咥えた。 「んふ、こっちも美味しい」 ほろ、と可愛い笑顔で笑いやがる真斗。 「食べていいよ」 トッピングMAXの真斗のクレープは今にもこぼれ落ちそうだ。一口はあまり大きくないが、真斗に食われた分くらいは食おうとクレープに顔を突っ込んだ。 「ぶ、ぅっ甘っ」 「うははっ、まろちゃんついてるよ」 そう言って俺の頬を指で拭ってそれを気にも止めずに自分の口へ突っ込んだ。 笑って俺を見る真斗に恥ずかしくなって、顔を背けた。多分俺の顔真っ赤だもん。 『やあ』 「うわぁあ!!」 振り向いた瞬間にそこにいたのはガタイの良い男。 「!?、!??!」 「ど、どうしたのまろちゃん、大丈夫?」 尻もちをついた俺を心配して真斗がしゃがんで支えてくれた。 だ、だ、誰!?
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