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何でいなくなっちゃったんだろう。 どうして涙が止まらないんだろう。 頭が、胸が、心が、痛みで壊れそう。 沢山、数えきれない感情が。 抑えきれない想いが。 頬を伝って。 輪郭をなぞって。 零れ落ちていく。  いくら手のひらで掬っても、掬っても、救われない。 たまらなく、哀しくて、辛くて、寂しくて。  濁流みたいに、嵐みたいに、滅茶苦茶に乱れていく。  何も届かない、言葉一つすら伝える宛がない。 降りしきる雨は、まるで心を映すよう。 傘なんて投げ捨ててしまいたい。 心の雨に、どうやって傘をさせばいいんだ。 いくつもの言葉が詰まった、想いが溶け込んだ雨に濡れて冷たいよ。      いっそのこと、感情ごと心が凍ってしまえばいいのに。 何も感じなければ、楽になれるのかな。  笑うのも、大丈夫って思うのも、しんどい今を乗り越えられるかな。 いつ、この雨は果てて、青空へ晴れる? 失ってしまった貴方の傘がほしい。 虚しくて、冷たくて、寒いの。 貴方の声を聞きたい。 もっと沢山、沢山、話したかった。 今さら、後悔しても手遅れなのに。 たとえ、もう二度と叶わなくても、きっとずっと、私はそう願ってしまうよ。 大好きだった、大切だった、傍にいてほしかった。   わがままな私は、駄目な人? 願うことくらいは、許してよ。 これから進んでいく人生の中。 またいつか、どこかで巡り会えるとしたら。  その時まで、私はこの想いを抱き生きていく。  言いたいこと、伝えたかったこと、絶対忘れないでいる。 だから、貴方もどうか幸せでいてほしい。 もう、泣くことがないように。 笑顔で、いられるように…。  祈りを捧げながら、私も自分自身の人生を全うする。 貴方がくれた大きな言葉の花束を胸に。   切なく揺れる瞳を真っ直ぐ前へ向けて。 新しい春を迎え、歩いていくよ。
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