確かに恋だった。ー曜日女になれない女ー

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よほど気にいって栗原からモデルの話を持ちかけたんだろう。 つまりこの睨みつけている様子がキャンパスの彼女の恋をしている姿ってことだ。 ツンデレ系か? 「そう、よかったじゃない。もう私は必要なさそうね」 あるだけの自尊心で強がってみる。ホントは栗原に泣きつきたいけど、そういうの自称・デキル女としてはダサいからやめた。 我ながら可愛げがないなぁ。 「そうかもな」 「そう、いいんじゃない?もう終わりよ」 立ち去ろうと栗原に背を向けると、また手首を掴まれた。 そのまま背中から抱き締められる。 しばらく栗原にされるがまま。 そこにある温もりを確かめるように。 回された腕に手を重ねて何かに酔いしれていたのかもしれない。 だから扉の向こうの人の気配に気付かなかった。 「どういうこと?これ」 扉が開いて入ってきたのはトウゴ。 なんてナイスタイミングだ。 修羅場さんいらっしゃーい。じゃないよ。 慌てて私と栗原は離れる。 気まずい空気と沈黙は私を憂鬱にさせた。 「これは、その」 どう言い訳しても丸くはならない。 どこかしら角は立つし、しこりは残りそう。 それでも言葉を私は探した。 「人の女に手を出してんじゃねーっとか熱血ぶるつもりはないよ。なんとなくわかっていたし、1回や2回じゃないんだろう?」
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