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[エピローグ]
ーーSide 五十嵐 珙子
わたしが会いたかった人は、当時のそのままではなかったけれど、それでも会えて良かったと思う。
帰り道、冴島さんに駅まで送ってもらった。
「美大受験、また頑張ってみようと思う。目標が出来たから」
「その目標、聞いても良いですか?」
「今度は先輩がわたしに会いたいって思うような、そんな絵描きになるの。どんなに環境が先輩を変えてしまっても、先輩は先輩だったから」
わたしはまだ走れる。
そう思えただけで会いに来て良かったと思う。
「カッとなって刺したりしてごめんね。そういえば冴島さんってどこの中学生?」
「私......社会人なんですけど」
ーーおわり
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