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蒼夜がケーキをお皿に移動させると、そのお皿をテーブルに運ぶ朱里。
鼻歌を歌っている。
「食べていい?!食べていい!?」
「ちょっと待って、紅茶淹れる」
「早く早く!!」
ケーキなんて久しぶりだ。
うちは男兄弟だからって誕生日もケーキを用意されたのは小学生の頃までだったし、男同士でケーキを食べに行く機会なんてほとんどない。
苺の乗ったショートケーキ。
ふわふわで甘くてトロけるなかに、時々口の中に入ってくる苺の酸味とジューシーな果肉が堪らなく美味しいのだ。
そんでもってこれはきっとデパートとかで売ってる高いケーキに違いない。
苺の輝きが違う。
絶対に美味しい。
カシャン。
「はい。熱いから気をつけてね」
「さんきゅー! んじゃ、いっただきまーすっ!」
パクッ。
「うんっまーーーー!!!!」
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