第二章 オンブル魔法学校

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「あれ?」  モーガンが落としたのか、拾ってみると小さなお菓子の入った袋だった。モーガンの机にそっと返しておく。  クレールを見るとこちらの内緒話が聞こえていたらしく察した様に微笑んだ。そのクレールの胸には沢山の光が見えた。心根の優しい彼だが、精霊に愛されていることを自覚している上で彼らの凶行を積極的に止めることがない。思わずため息が出た。いつか、取り返しのつかないほどの事件が起きてしまうかもしれない。  シャーロットが教室に戻って来て、女子達にピースサインをしている。どうやら聞き出すことに成功したらしい。 「あっ、シャーロットに先越されちゃった」  こっそり持って来た石をミレーヌ先生に見せようと思っていた。放課後、ミレーヌ先生の研究室を訪ねることにする。 「次の授業は……」 「飛行術だよ、ノエル」  アルフレッドが私の箒も一緒に持って立っていた。 「そんな顔したって怪我でもしていなければ休めないよ。きっと、今日こそ乗れるよ」 「分かってるよ!」  すでに体操着に着替えたアルフレッドに促され、慌てて更衣室で体操着に着替えると校庭へ出た。
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