千代ちゃんのこだわりおでん

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千代ちゃんのこだわりおでん

 「特別対応はだめって何度も言ってるよね。なんで同じ過ちを何度もするの」  今僕に叱責をしている上司は僕の2つ年下だ。仕立てのいい細身のスーツを着ていて、髪型もピシっと決まっているその上司は快活のいい声で理論整然と僕が出来損ないであることを周囲に証明しているのだ。 でも、僕は彼が思っているほど堪えていない。右から左にすーっと流れていく。  なぜなら今日は千代ちゃんがおでんを作って待ってくれている。  僕たちはおでんを愛してやまないおでん夫婦だ。
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