欲深

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 むかしむかし、ある星のある国に好色な大臣がおりました。政治資金稼ぎのためパーティー券を売ってましたが、ノルマを超える数を売っていたので王様からキックバックをもらっていました。その超えた額もキックバックの額も収支報告書に記載しなかったので政治資金に当てられた収入以外の収入に課税される筈がされずに済んでいました。そして儲けた裏金で女を買っていたのですが、パーティーでも女を買っていたようなものでパーティーに集まった女の中で一番綺麗な女を誘って寝ていました。そして気にいれば嫁にしたいと思っていましたが、中々自分の好みの条件を満たした女と巡り会えませんでした。  大企業のお年頃の娘たちは財産目当てに大臣の嫁になりたいですから挙って着飾ってパーティーに参加する訳なのですが、綺麗な娘が3人いるお金持ちの家でも皆、お年頃を迎えたのでパーティーに参加したいと思っていました。けれども、その内のリリーは継母に冷たくされてパーティー代を与えてもらえませんでした。義理の姉らからも同じ血が流れていないというだけでなく、おっぱいが大きいという理由で冷たくされていました。つまり彼女らは貧乳なので僻んでいたのです。  リリーは堪ったものではなく3人から女中のように扱き使われていましたが、父親には優しくされていました。けれども財布の紐を握るのは継母ですからパーティー券もパーティー用の衣装も買えないのでした。それを尻目に姉らは順々にパーティーに参加して二人とも大臣と寝る栄誉に与ったのですが、大臣のお眼鏡に敵いませんでした。そうなんです。大臣は美人な上に大きいおっぱいが大好きなんです。 「毎度ながら脱がして見ればこれだよ。天は二物を与えずか…」  大臣は溜息まじりにベッド上で呟いたのでした。その事実を娘から聞いた継母は掌を返したように急にリリーに優しくなりました。何故ならリリーは美人な上におっぱいが大きいからきっと大臣のお眼鏡に敵うと思い、そうなれば大臣の妻になるから大臣の金銭的恩恵に肖れると思ったからです。そう判断したからには善は急げとばかりにリリーに小遣いをしこたま与えて高級ドレスや宝石を買わして勿論パーティー券も買わしてパーティーに行かせました。  それから会場に姿を現すと、その途端、皆の憧憬のまなざしを浴びたリリーは案の定、大臣と寝ることになって無茶苦茶気に入られたのでした。で、メロメロにさせたところでリリーはあたし王子様に会いたいのと色っぽく迫りました。すると大臣は蕩けそうになりながら言いました。 「勿論、会わせてあげるよ」  大臣これはしたり。自信満々になって大臣よりは王子様と欲張ったリリーの思惑通り王子は彼女に相対した日にはハートを射抜かれ、リリーはお姫様になってしまったのでした。おまけに大臣は脱税がカミングアウトされて逮捕されてしまったとさ。
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