2人専用ポケット

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「...............ぃ、急げ、私っ!」 そう言って、ほんの少し溢れたであろう、 涙でぼやける視界のまま走り出したとき。 --------------ドン! と、誰かにぶつかってしまった............ 「.........ぅ、ぁ、す、すいません!」 目をこすりながら、慌てて頭を上げて謝ると。 そこにいたのは........................ 「みのんちゃん、大丈夫?」 「...............っ、高遠星司、さん、」 Mainの不動のセンター、 高遠星司(たかとうせいじ)さんの姿。 名前を呼ぶ時に、 〝先輩〟ってつけようかは迷った。 高遠星司さんは、何を隠そう、 高校時代のお姉ちゃんの同級生で。 ──────かつ、恋人だった人。
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