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終わり
オーちゃんとベンツ君は、登る朝日をみながら、愉快そうに話していました。
「本当にびっくりしたよ…」
「いや〜 まるで映画だったね」
すると、後ろから車が近づいてくる音がしました。
「どけ、どくんだ!!」
ブレーキが突然効かなくなったのでした。ものすごい勢いでアメ車がオーちゃんへ突進してきています!!
振り向いた時には手遅れでした。もの凄い轟音とともに火花が散りました。
「ここはどこ、天国?」
眩い火花が少しずつ消えて行きました。そこには、ボロボロになって倒れたベンツ君がいました。タイヤは転がり、オイルはもれ、ヘッドランプが怠惰に点滅しています。
「ベンツ…君?」
「オーちゃん…」
彼の声は、今にも消え入りそうな儚い声でした。
「僕は君の事が…」
声が綺麗に重なりました。
「私も」
オーちゃんはベンツ君へ歩み寄りました。そして長い間キスをしました。
「オーちゃん、離れるんだ。俺はいずれ爆発する。
「そんな、嫌だ。一緒に死のう」
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