1.プロローグ

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眩しい初夏の光をいっぱいに浴びて、 あなたのそばで咲いていた『夏雪の花』 海薫る爽やかな風が優しく頬をくすぐって、 ふわりと小さな花もさらってゆく ひらひら…… ひらり…… (くう)を舞い風波に泳ぐ花は ――――――まるで初雪のよう 冬に降るはずの雪が、夏の光の下で輝いて、 宝物を見つけたみたいに心がときめいた 奇跡が…… 舞い降りた、かもしれないと 小さな一花(ひとはな)が愛しいほど恋しくて 恋愛の一片(ひとひら)は切なく揺らめいて この恋は私に大切なものを捧げてくれると 夢に描いた 幸せな未来が待ってると…… 信じていたかった――――――
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