16.彼女たちの招待を受けた日

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 広くて寝心地のいい寝台に、コリーンはいつも一人で眠っている。 「コリーン、いるのか?」  寝台の真ん中がこんもりと膨れ上がっていた。 「コリーン……」  もぞもぞと塊が動く。 「ん? ヴィー?」 「なんだ、眠っていたのか?」  微笑みの仮面をつけて、優しくコリーンに話しかける。  寝台に腰を落とすと、ギシリと軋んでそこが沈む。 「ちょっと、疲れてしまって……」 「そうか。コリーンは公務も頑張っているからな」  心にもない言葉を並べていく。  とにかくコリーンは褒めておけばいい。そして調子にのったところで、こちらの思惑通りに動かそうとするのだが、彼女は聖なる力を使うことだけは頑なに拒む。  やはり、その力がないのではないかと疑いたくもなる。しかし、そんな素振りは見せてはならない。  こう見えてもコリーンは聖女なのだ。その聖女を、王城内にとどめておけというのが父王からの命令でもある。 「ちょっと話があるのだが、起きられるか?」 「んっ」  小さく返事をした彼女は、やっと身体を起こした。  癖のある赤茶の髪はぼさぼさとからみあっており、顔もどこか野暮ったい。
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