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「勇気、熱は下がった?」
「今、37℃。やっと下がった! もう少し早く下がってくれていたら、廃村に行けたのに」
俺は人が消えるという噂がある廃村に興味津々だったから、行けなかった事が悔しくて仕方がなかった。
今頃、みんなは廃村を巡っているんだろうな。
廃村には悪霊が住み着いていて、その悪霊が人間に憑いたのだろうか?
それとも、人間の仕業なのだろうか?
ただの噂の可能性が高い気もする。
俺達、ミステリーサークル部員は、長期休みには全国の心霊スポットの調査に行く。
心霊スポットに行くのは危険だという話は何度も聞いた事がある。実際に両親には反対されているけど、俺はどんな悪霊がいるのかワクワクするんだ。
心霊スポットと言っても低級霊しかいない所も多いけど、一部には本当に危険な悪霊がいるところがある。
ミステリーサークルの部員はほとんど霊感がない茜を除いて、みんなある程度の霊感を持っている。
だから、危険な悪霊がいるとわかればすぐに逃げる事が出来る。
俺の両親には霊感はないが、母方の祖母が霊能力者で、俺は祖母の力を受け継いでいるらしい。
俺は幼い頃から祖母に霊能力を扱う訓練を受けていて、今では大抵の悪霊なら祓う事が出来る。
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