安城大学ミステリーサークル事件簿

人が消える廃村

「山岡刑事、この5人がエサとして異空間に閉じ込められていた人達です。そして、こっちが彩人と太一、行方不明だった2人です。俺の祖母のおかげで助けることが出来ました。小学校は俺達が穴から出た途端に強風が吹いてきて崩壊しました。あと、校庭に殺された8人の遺体が埋められているはずです」

俺が説明すると、山岡刑事はギョッとした顔で俺達を見た。

「8人は殺されていたんですか。残念です。あなた達は助かって本当に良かった。皆さんには、これから警察署で話を聞かせてもらいます」

「そんな……、やっとあの異空間から外に出られたんだ。家に帰らせてくれ」

「YouTubeで生還できた事を報告しないといけないんだ。早く帰りたい」

5人は口々に山岡刑事に文句を言う。

「お前ら、助けてもらわなければ永遠に異空間から出られなかったんだぞ。警察署で事情聴取を受けるくらい当然だろ！　署に言ったらすぐに家族に連絡するから、パトカーに乗りなさい！」

山岡刑事が文句を言っている5人を怒鳴りつけると、5人はしぶしぶパトカー2台に乗り込んだ。