6人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
彼女の思い
知らなければ良かったと彼は言う。
いいえ、貴方は知る必要があったと私は思います。
あの人が私に嫌がらせをする時は誰かを使わずに一人でやっていた事、嫌がらせをしながらわざと貴方と引き合わせていた事、文句を言っているのに助言を言って私の悪い所といい所を教えてくれていたこと。
虐めの中に優しさが混ざっていて「この人は何故こんな事をしているのだろう」と、疑問に思っていた。
まるで自分の婚約者を私に引き渡す様なそんな行動。
結果的に私は彼に告白されて両家で顔合わせで縁談が成立したけれど····
その前にあの人から貰った手紙で全て把握して私の中では複雑な気持ちでいっぱいだった。
これはあの人が私を巻き込んで彼女に作られた縁談だ。
全て彼の為で何一つ私の為ではない。
その事についてもあの人は私に謝罪していた。
「最後に決めるのは貴女です」だなんて、流石にその文字は私にとって残酷過ぎた。
好きになったのも事実。
あの人がお膳立てしてくれたのも事実。
けれど作られた舞台で愛されていると言う事実が嫌だった。
だから、あの人の家族と私しか知らない真実を彼に教えてあげた。
真実を知った彼は私とあの人
どちらを本当に愛してくれるのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!