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☆
畑さんとは店の前で別れて帰宅した。近くなんだ、寄ってみたいと言われたけれど、当然案内できるわけもなく、電車に乗るより近いだけと言い訳して畑さんには帰ってもらった。
家に帰ってお風呂入ってテレビ観ながら髪を乾かしているとスマホが着信を知らせる、メッセージの着信だと判りそれは後で見ようと思ったけれど、すぐに電話の着信音が流れて、慌てて寝室に向かった。置いておいた鞄から引っ張り出して画面を見れば影山さんからだ! まだお店は営業中なのに、なんだろう、そんなに緊急?
「はい!」
『ああ、ごめんね、動画も送ったんだけど』
さっきのメッセージの着信音は影山さんだったのか、明るい声に非常事態ではなさそうだ。
『電話でごめん、メッセージで送るより早いと思って。さっき斎藤さんの元カレ、マンションに来たって』
周……! やっぱり来たんだ……!
「って、こんな時間までマンションにいてくれたんですか?」
それは周を待っていたということだよね、申し訳ない。
『うんそう。来なかったら直接交渉してやるなんて意気込んでくれてたけど、先日は日付変わるくらいの時間に来たでしょ、だから今日もそれくらいまでは待ってみるって言ってくれてたんだ』
「本当にご迷惑を……」
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