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『うん、俺もそこまでしなくていいって言ったんだけど、あっちこっちに被害が及んでるなら早い方がいいでしょって言ってくれたから、なんかツテはあるようだから頼んじゃった。で、謝罪を動画で撮ったって言うから、斎藤さんにも転送してる。証拠にとっておきな。もしまた来るようなら俺が話を付けてやるから報告してって言ってたから、すぐに言ってね』
はあ、青年実業家ともなると、最強の弁護士とかついているのだろうか。心強い!
「本当に何から何までありがとうございます。良さんにもお礼をしたいです」
『うん、後日伺おうね。礼なんかいらない、ハエを叩くより簡単って笑ってたけどさ』
いやいや、ハエを叩くよりなんてことないでしょう……!
影山さんはまだ仕事中なんだ、またあとでねと言って通話を切った、お忙しいのに申し訳ない。スマホを耳から離すと操作してその動画を確認する。
正座をしているようだ、周を上から見た画角で背景は見覚えのある床である。画面のほとんどは周の顔が埋めている、なんともおどおどとし、カメラを見ることもなく周は語り始める。
『斎藤あかねさん。もうご迷惑はかけません。俺の気持ちを押し付けてごめんなさい。別れたくないなんて思ってしつこくしてしまいました』
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