3人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
今日だけは、定時きっかりに退勤したかったのに!
インベージ星人め、空気読めっての!!
格納庫へとひた走りながら、そう心の中で毒づいた自分がおかしくて、キャサリンはフッと皮肉な笑みを浮かべる。
そう、空気を読めるような輩なら、そもそも地球を攻めてはこないし、防衛戦が終結したあとも、しつこく散発的な攻撃を繰り返すはずがない。
「出撃準備整っております」
「ありがとう」
高速戦闘艇に乗り込み、整備員に渡されたヘルメットをかぶる。
ハッチを閉めると、自動的にモニターが起動した。
目の前に広がる、星々がきらめく広大な宇宙空間。
なんのしがらみもなく、ただ飛びたつことができたなら……。
やめよう。今は、余計なことを考えるべきじゃない。
「イーグル隊、全機発進準備はいいか?」
無線通信を入れると、全員が一斉に応えた。
「アイ、マム!」
「各自、偵察隊の保護と、敵戦闘艇の無効化を最優先に行動せよ」
「アイアイ、マム!!」
「……イーグル隊、発進!!」
キャサリンのかけ声を合図に、格納庫から次々と、高速戦艦艇が飛び立っていく。
最初のコメントを投稿しよう!