戦うおばさま

1/5
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ

戦うおばさま

地球防衛軍第3支部所属、キャサリン・コリンズ、27才。 半年前ようやく終結した対インベージ防衛戦において、歴代トップの撃墜数を叩きだした天才パイロット。 どんな危機的局面においても、常に冷静沈着。 ついた異名は”氷の撃墜女王”。 そんな彼女が珍しく、ちらちらと腕時計に目をやっている。 なぜなら今日は……。 「支部長、お先に失礼させていただきます」 「ああ、たしか姪御さんの誕生日会だったな」 「はい」 そう、今日は可愛い姪っ子、メリッサの誕生日。 今夜は姉の家を訪ねて、誕生日会に参加する予定なのだ。 ちなみに、インベージ星人が地球に侵攻してきて以来、実に5年半ぶりの再会になる。 「ずいぶん久しぶりなんだろう?楽しんで……」 その時だった。 ビビーッ!! 非常事態を知らせるブザー音に続いて、偵察艇からの通信が入る。 『至急!月航路上に突如、インベージの高速戦闘艇が多数出現!出撃願います!』 「……すまん。行けるか?」 落胆を表情にだすことなく、彼女は頷いた。 「もちろんです」 支部長は、館内放送のマイクを握る。 『総員、第一種警戒配置!本艦はこれより月航路に向かう!』
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!