関西より笑いを込めて

2/2
19人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
 圧力鍋を装備し『お煮しめ』もやっつけた。  たたきゴボウは必要以上に叩いたし(ストレス発散)海老も煮付けた。  黒豆はもう買ってやった。時短だ時短。  それでも次々に襲ってくるおせちモンスター達。いつしか写真を取り忘れ、余裕もなくなってくる頃……。 ──業者モグレン、急ぎなさい。来客の到着は少し早くなるそうです。 「マジか!ピンチョスがまだできてない!」 ──宴会の前菜を、お洒落仕様に欲張るからです……ピンチョスにモッツァレラチーズ……あら、素敵。写真ないけど。  業者モグレン、なんとか間に合わせた。ビールも冷えてる、さぁお城で年越しパーティーだ!    みんなの美味しい笑顔をチラ見しながら、業者モグレンはまだまだ調理中。そうか、そうか、美味しいか。  まぁ、だから頑張ってしまうのだ。  静かな年越しも好きだけど、賑やかな年越しも好きだ。  だって、業者モグレンだから。 6c8d0bf3-ad28-4490-951a-fd6174fb3321  ここは、始まりの町。  モグレンの冒険は、正月後半にも繰り返される。    前を向いて歩く者だけが辿り着く輝かしき未来は、決して平坦な道ではないけど。  小さな幸せを拾い集めながら、令草さんが笑って暮らせますように。  いつかでっかい幸せになるから。        令草さんへ、業者モグレンより    
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!