モテる男の彼女

5/18
7075人が本棚に入れています
本棚に追加
/210ページ
「ですよね。課長同士の仲が良くても、何の違和感もありません」 「だな。で、何が言いたいかというと、俺は前から蒼空の気持ちを知っていた」 「へ!?」  その言葉に、今度は私が驚きの声を上げてしまう。前から知っていたとは、私達の関係も知っているのだろうか。 「もちろん、蒼空からペラペラ話すわけがないから、俺が聞きだしたんだが……。高校からのつき合いなんだろう?」 「はあ。部活の先輩後輩の関係です」 「蒼空の気持ちには、全く気づかなかったのか?」 「気づくもなにも、私は避けられていると思っていましたから」 「あいつ、何もかもに完璧なわりには不器用だよな……」 「私には、何もかもに器用に見えますが」 「でも、吉瀬さんには全く伝わってなかったんだろう?」 「はあ」 「まあ、この話はまた蒼空がいる時にじっくり聞かせてよ。ふたりのお祝いをするよ。で、本題」 「はい」 「林の件だ」 「はい」 「先ずは、今まですまなかった」 「え⁇」  轟課長からの突然の謝罪に戸惑う。林先輩には迷惑を掛けられているが、課長達のせいではないのだ。  
/210ページ

最初のコメントを投稿しよう!