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夏が過ぎ、秋になっても、
四人は相変わらず一緒に行動していた。
この日も練習の後、皆でお好み焼きを食べに行った。
お腹いっぱい食べた後は、
ターミナル駅へ向かってのんびり歩き始める。
前を良美と大樹が、
そして後ろに真亜子と健介が並んで歩いている。
その時、健介がふいに言った。
「今度二人で会わないか?」
真亜子はドキッとした。
『それってつまり...そういう事?』
真亜子は薄々健介の気持ちには気づいていた。
真亜子の事をまっすぐに見つめる瞳、
どんな時でも紳士的で優しい態度、
真亜子が話したどんな些細な事も覚えていてくれて、
出張や研修に行くと、必ず土産を社内便で送ってくれる。
真亜子は、いつかこうなる事は予測していた。
だからあまり驚きはしなかった。
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