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ずっと待っていた……
それは京都の西の方にある、とある有名なお寺の前のバス停で佇んでいる時のことだった……。
観光地としても人気のある寺院であり、大勢の修学旅行生でその日も門前はごった返していたのだが、班ごとに分かれて市内を回っているのか? そんなバスを待つグループの中にわたしはあなたを見つけた。
あなたを見た瞬間、きっとわたしは眼を皿のように大きく見開いたことだろう……。
なぜなら、あなたは別れた彼氏に瓜二つだったから。
別れた……いや、その言い方は正しくない。わたしはフラれた……いいえ、捨てられたのだ。
はじめのうちは信じられなかった……ずっとわたしはこの人とお付き合いを続け、いつの日にか結婚するのだろう…と、疑うこともなく、ばくぜんとそう信じていた。
こんな未来が待っているなどということは、露ほども考えていなかったのだ。
それなのに、別れの時は突然訪れた……。
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