001/僕の新たなる常識

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001/僕の新たなる常識

マンションの近くのカフェで設楽とハルちゃんの入り待ち。あの子昨日からずっと夕飯の算段立ててたから、俺らゆっくり帰ったげようよ、そうですね、そんなこんなでもう2時間くらいなる。ハルちゃん遅くなってるねえ、でもここはぐっと我慢、何杯目かのカプチーノの途中で無事ハルちゃん帰還。うわあの子あんな走って大丈夫なん? ーーーーーーーーーーーー 一番早く帰宅した者が食事の用意をする、スリーマンセルな僕らの暗黙のルール、とはいえかなりアバウトなのですが。今日は僕が一番乗りな予感。朝からシュミレーションしていたのだけど、そう言う時に限ってのイレギュラー案件に翻弄され、かなり帰宅時間が押してしまいました。大変です大急ぎで支度を! 出来合いのものでも工夫次第で最高の美味しさに。限られた時間ではありますが炊き立てのご飯とメインを用意。お吸い物だけはちゃんとお出汁から。オーブンで焦がし気味にした鰻の蒲焼、それを細かく刻んで浅葱や柴漬を添えて櫃まぶしです。さあもうすぐ出来上がり。その時ただいまあ、の声。ナイスタイミング。 そこで、はたと僕は気づいてしまったんです。あこれ鰻丼じゃねえや、と。お出汁を取ったのは出汁茶漬けのためだったのになんでこうなったかな。いい匂いですね、ちょっ早で着替えた二人がキッチンにやってきてお料理を風の如くリビングに運んでゆきます、お鍋の側でしゅんとしてる僕に伊達さんが首を傾げてスパダリの笑顔。櫃まぶしにお吸い物ぶっかけるの大好きなんよ、その返しがもう満点。僕これから一生櫃まぶしにお吸い物をぶっかけますとも承り。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 佐久イヌ140の日常160-163まとめ・加筆修正 2024.1.15
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