たとえば、ポケットの中のゴミみたいに

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古川と初めて会ったのは、高校1年の春のこと。 同じバドミントン部に入ったことがきっかけだった。 「1年B組、古川ほのかです!」 もっともその時は、明るそうな子だな、くらいにしか思ってなかった。 部活以外接点もなかった俺たちが親しくなったのは、高校2年の春のこと。 「平山くん、2年間よろしくね」 同じクラスになったことで、古川との関係は変わった。 2年から3年はクラス替えがなく、そのまま持ち上がるシステムだったし、同じ部活のよしみで、自然と話す機会は増えていく。 こう言っちゃなんだけど、古川はサバサバ系女子で、すごくモテるタイプじゃない。 だけど、何事にも一生懸命なとこを見てるうちに、いい子だな、って好ましく思うようになっていった。 そして何より古川は、話していて居心地がいいと思える、唯一の女子だった。 「平山くんとは、会話の波長があうっていうか、なんかすごく話しやすいんだよね」 彼女もそう思ってくれていると知った時、初めてこの子が好きだ、って自覚した。 「お前もしかして、古川と付き合ってる?」 実際、俺たちの関係は、そう頻繁に聞かれるくらいには親しかったと思う。 いちばん仲の良い異性は俺だ、って自負もあったし、付き合って欲しいって告白したら、きっとOKしてくれる、みたいな根拠のない自信もあった。
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