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「泣いてた跡。大丈夫?」
『あ、、ごめん。化粧取れてるよね…』
化粧の話じゃない。
「違う。…不安定になってない?」
『うん。大丈夫だよ。ありがと。
なんか、圭くん優しくなった?』
突き放すようなことをした15歳の春。
絵菜にとってひどい男なのは間違いない。
自分勝手だったあの頃。
「絵菜のことが…心配なだけ。
こうやって話すの久しぶりだな。」
本当にそう思ったから、
素直に言葉に出した。
絵菜ことをあの頃から変わらず
大切に思っている今の俺がいる。
これが恋愛感情なのか
幼馴染としての愛着なのかはわからない。
けれど、絵菜の存在は特別なものには
変わりはない。
『そうだね。とりあえず街に出るよ?』
「うん。
久しぶりにモーニングが食べたいかも。」
『あ〜。じゃああそこにしようかな。』
俺の提案に店を探してくれるみたいだ。
「どこでもいいよ。
絵菜が行きたいとこで。」
特別だから、優しくなれる。
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