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再会したふたり。
1月中旬に差し掛かった木曜日の午前中。
突然の一報だった。
プルル…
「松岡さーん。
家族の方から携帯にかけたけど出ないからってお電話ですよ。外線1番です。」
職場の事務員さんから電話を引き継ぐ
「もしもしごめんね。どうしたの?」
電話口の声はお母さんだった。
【絵菜?急に電話してごめんね。
突然なんだけど、松川のばあちゃんが今、
亡くなって…みんな良くしてもらってたし、
絵菜のこと最近も気にして話しかけてくれてくれたからすぐ連絡したのよ。】
突然の報告にびっくりしたと同時に
松川のばあちゃんとのことを思い出して
鼻の奥がツーンとした。
「わかった。お葬式はいつ?」
【明後日の10時から告別式よ。
無理に帰ってこなくても大丈夫よ?】
「お母さん。行きたいから行くよ。」
【わかった。でも無理しないでね。
仕事も忙しいでしょう。】
「今は落ち着いてるから、
休みとらせてもらうようにする。」
【わかった。気をつけて帰るんだよ。】
「うん。じゃあね。」
私の中の大切な思い出がまた一つ
消えていくような感覚がした。
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