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すぐにデスクにいた店長に報告した。
「あの、店長。明後日の土曜日に
お休みをいただいてもよろしいでしょうか?」
『ん?松岡、その日は成人の日で休みだよ。』
「あ〜そうでした!すみません…。」
店長は私の変化に気づいたらしく
『松岡?大丈夫か?顔色悪いけど。』
「え?…まぁちょっといろいろありまして」
これ以上言うとこらえている
涙があふれそうになった。
『松岡、有給消化できてないだろ?
良ければ、今日の午後から明日まで
有給とっていいんだぞ。気晴らしに。』
私の心を読んだようにそう言った。
「いいんですか?」
『お願いしてた仕事も終わってるだろ?
たまには休むことも仕事の一環だよ。』
店長の優しい言葉に甘えた。
「ありがとうございます。
では、午後から有給いただきます。」
私は都会のしがないOLとして働いている。
この日は仕事を終えて家に帰って、
松川のばあちゃんのことを思い出しながら
帰省の準備をした。
いろんな思い出と優しさで
胸がいっぱいになった。
最後は元気な姿でお別れを言いに行こう。
その想いを乗せて明日、
私は都会から少しだけ開放される。
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