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番外編 寂しがり屋のひとりえっち♡(3)★
(えっ……?)
一瞬、幻聴かと思ったけれど違ったらしい。寝室のドアが勢いよく開け放たれ、今まさに会いたいと思っていた人の姿が、目に飛び込んできた。
「おっと、こいつは予想外」
高山は目を丸くしながら、そんなことを言ってみせる。
信じられないことに帰ってきたというのか。侑人は思わぬ事態に固まってしまう。が、我に返って今の状況を思い出せば、あまりの恥ずかしさに顔から火が出そうになった。
「バッ……で、出てけ!」
抱え込んでいた枕を、相手の顔面めがけて投げつける。高山はそれを軽く受け止めつつ、こちらへと歩み寄ってきた。
「おい、いきなり物投げるなよ」
「うるさいっ、なんで帰ってきてんだよ!」
慌ててアナルビーズを放って、ベッドの隅へと後ずさる。しかし、抵抗も虚しくあっという間に捕まってしまった。
「あれだけ寂しがられたら、帰るに決まってるだろ」
「っ! べつにそんなつもりじゃ……つーか、仕事は」
「適当に切り上げてきた。大して急ぎじゃないんだし、出張から戻ってきた身にもなれっての。それに――」
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