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精霊干渉
ずばり強行策とは精霊と会話を試みることである。
まずはじめに精霊と意思疎通が取れるスキルなんてものは存在しない。
だが、魔法であるならば不可能ではないのだ。
そう、不可能ではない。
膨大な魔力量と精密で複雑すぎる魔法陣を要求されるが、不可能ではない。
忘れられた秘術でクォーツ家しか伝承している家がいないのだが、不可能ではないのだ。
魔法というものは行使するとわずかにも残滓が残ってしまうもので、熟練した魔法使いが見れば誰が魔法を放ったのかなんて、一目瞭然なのだ。
いくら、魔法の質を変えて残滓を別人の魔力に変えられると言っても隠密行動中に魔法の使用がバレるなんて以ての外。
そのため今までは魔法を使用していなかったのである。
しかし現在は忍ぶ忍ばないの状況ではなく、もう忍べない段階なのだ。
それならば魔法の使用を躊躇する必要などない。
特大の上級魔法を行使してみちゃおうじゃないか。
実は実践は今回がはじめてだ。
果たして本物の精霊にこの魔法が通用するのか未知数なのである。
私は抑えきれないほどのワクワクを胸に魔法陣を描き始めた。
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