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「その、失礼なことをお聞きしてもよろしいでしょうか……?」
「なんだろうか?」
「外観に比べ、内観はずっと古く感じられるのですが……」
邸宅の外観は数年前に流行ったものだった。だが、中に入ってわかったことだが、内観はそこまで改装されていないような気がする。まるで、外だけを改装したかのような……。
「あぁ、そうだな。以前の当主……俺の兄が、外観だけは改装したんだ。だが、中身を改装する金がなかったんだろう」
まるで忌々しい記憶を思い出すかのように、律哉がそう零す。……嘘だとは、思えなかった。
「聞いているかもしれないが、うちは財政難だ」
「……はい」
「まぁ、あなたのお父上が借金を返済してくれたので、マシにはなっているのだがな」
憂いを帯びたような目で、律哉がそう言う。真白の胸が、ぎゅっと締め付けられる。
(このお方は、この状況下でとても頑張ってこられたのだわ。……態度を見れば、それがわかる)
お金がない華族など、惨めで仕方のないものだろう。合わせ、商家の娘とはいえ、庶民と結婚することを強いられているのだ。
……彼の苦しさは、真白には計り知れない。
「だから、贅沢はさせてやれないと思う。もちろん、少し金銭面で安定したら――」
律哉がなにを言おうとしたのかを、真白は察した。だからこそ、律哉の手を勢いよく握る。
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