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こんな風に念入りに手入れされた事がなかったので、自分が自分でないような、違う自分に変身しているような感覚だった。
髪もツヤツヤね……爪の形まで美しいし、まだ舞踏会まで一月半もあるのに気合の入りようが凄いわ…………
「舞踏会では陛下や王族の方々への挨拶があるからね……皆気合を入れているのではないかな」
テオ様に皆の様子を話したら、まさかの返答だった。陛下へのご挨拶?………………私は頭が真っ白になってしまう。
「その時にロザリーの事も紹介しようと思っているんだ。陛下も君の事を気にかけてくれているから……元気な姿を見せてあげたくて」
「そうなのですか?」
「ああ…………陛下は元々温厚な方で、争いは好まないお方なんだ。我が国は資源が豊富だし、他国がよく攻撃を仕掛けてくるんだけど、本当は戦いなど望んでいない。私も出来れば平和な世であってほしいと思っているよ……だからリンデンバーグがなかなか引いてくれなくて、やむを得ず制圧するしかなかった」
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