8章 “尋問”と暴露

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ここは病院なので、いくら個室とはいえ、騒がしいことはしてほしくないもの。 龍彦もジャッカルにいた時は、取引先に暴言を吐いたりやらかして罰を受けた経験があるので…。 「おい笑 あんたがやらかそうとしてたこと、自分で話すか?それとも、俺が暴露しちゃっていいの?笑」 茜に龍彦がニヤニヤしながら尋ねる。 右手には、愛用のノートパソコンがしっかり抱えられています。 パソコンをじっと見ながらビクビクと怯える茜。 どうやら、龍彦のパソコンには茜にとって周りに知られたくないことが記録されているのかもしれません。 「お前…本気出したんじゃないんだろうな…」 智則さんが龍彦に恐る恐る尋ねると、それは当たっていたようです。 「ピンポーン♪さっすが水沼さんっすね笑 俺のことをよく知ってらっしゃる笑」 本気ってどういうことなんだろう…。 龍彦と智則にしか分からない不穏で異様な空気が流れています。 私が不安そうにしていると、突然龍彦が、 「ちゃんと水沼さんとお話はできた?」 「うん、まあ、少しは」 智則さんは、まだ完全に体調がよくなったわけではないので、長く話はできませんでした。 だけど、今、智則さんと話すことも私の中にはなかったんですけどね。 「そうだよな…まだ、薬が抜けてから落ち着いてないもんな…今回で2回目の入院…。でも、薬が抜ければこうして、ちゃんと話せる。おかしくないか?」 「多少は体調がよくなったからじゃないの?」 「いいや、違うね。俺と水沼さんとの付き合いは15年。悪いけど、沙絵ちゃんよりも長い」 「それは分かっているわ」 「水沼さんは、別居で精神のバランスを崩した。だけど、精神のバランスを崩したのは1回だけじゃない。会社をやっている間にも何度も崩したことはあったし、最初の奥さんとの離婚の時も壊した。だけど、薬を大量に飲むほどじゃなかった…。お酒を大量に飲んだりすることもあったけど、ODまでするようなことはしてこなかった」
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