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『医師には守秘義務があるんでね』
『金倉先生、あたしの娘なんですよ。孫のこと聞きたいのは当たり前じゃないですか』
手が震えていた。わなわなと震える手を富雄さんが優しく握りしめてくれても震えは止まらない。
「とめてください」
義父が言わなければ、あの声を聞き続けていたのだと思うと、身震いが止まらない。
「ぅ、っ!!」
急激な痛みが襲ってきた。不安から来るストレスとは違う。
「宵子さん、しっかり!!」
お義母さんの声が緊迫感を与えている。富雄さんがナースコールを押して、義父と鑑識の人がいったん個室を出ていく。
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