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『編集部様
いつも、大変興味深く拝読しております。
突然の投稿、大変に失礼致します。
実は私は幼い頃、異界に通じるエレベーターを目撃したことがあるのです。
そうして、それが原因で……私は、大切な親友を失ってしまいました。
どうか、その時の私の話を……私の懺悔を、聞いていただけませんか。
これは20年以上前。
昔、私がまだ東京都の高島平に住んでいた頃の話です。
当時、私は高島平に建てられた団地の1つに、家族と住んでおりました。
周囲にも、大変多く団地が建てられている場所だったのですが……その団地群の中に1棟だけ、他とはかなり雰囲気等が異なる団地があったのです。
それは、通称『13号棟』。
私達が住む団地群からはやや外れたところに建てられており、外壁には13号棟という数字が黒いペンキで雑に書かれた、一際古い団地でした。
また――通常、私達の住んでいた団地は、所謂ドミノのような並びで縦1列に並んでいたのですが、何故かその号棟だけは横の離れた場所にぽつんとあり、より異質に感じたのを覚えています。
その様な中、高島平に住む私達――子供達の間で、その号棟に関するある都市伝説がまことしやかに囁かれ始めました。
それは、その13号棟にある2つのエレベーターの内、
“①先ず、偶数階にだけ停止する左側のエレベーターに乗り、2階にいく
②その後、一旦階段で1階に戻ると、今度は奇数階にだけ停止する右側のエレベーターに乗り、5階と9階を押す
③5階と9階についても降りず、そのままエレベーターの中にいる
④9階で扉が閉じたら、1階と9階を押す
⑤9階で降りる
その寸前、降りる間際に13階のボタンを中で押してから降りる
⑥13階にあがるエレベーターを見送った後、9階で再度エレベーターを呼ぶ
これらを絶対誰にも邪魔されずに行う。
(途中で誰かが乗ってきてもだめ)”
すると、異界へと繋がるエレベーターが現れるとのことだったのです。
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