Night ZERO

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Night ZERO

「近頃の若いコって、どうしてこう覇気がないっていうかヤル気がないのかねぇ?」 「はぁ。どうしてでしょうねぇ」 「いらっしゃいませ、ってさ。言えばいいってもんじゃないでしょう?」 いや、言ってるならいいじゃん。愛想ないだけだよね? 挨拶(あいさつ)も礼儀もキチンとしてるけどな、彼。 進藤くんの悪口を延々と話すパートの赤木(あかぎ)さんに、表面上は相づちをうちながらも心の中で反論をする。 ……解ってる。接客で無愛想なのは致命的だって。そのせいでクレームも時々入るって。 「学生さんだからってフォローするの当たり前って、ないと思うんだよね」 「……えっと。明日のシフト、替わりましょうか?」 「あ、そうしてくれる?」 不満たらたら述べてた赤木さんの顔がパアッと輝く。ええ、替わりますとも、喜んで。 「それじゃ、お疲れ様ねー」 「お疲れ様でーす」 お客様が来ないのをいいことに、愚痴話に花を咲かせていた彼女を見送りホッと一息。 さて。そろそろソフトクリーム側のレジ締めよ。 私の勤める洋菓子店は、コの字型の造りをしている。ショッピングセンター内の通路に面して、生菓子、焼菓子、ソフトクリームと三方向に展開していた。 物販店の営業は、午後8時まで。 ソフトクリームは機械の衛生管理の清掃と人件費の都合上、販売は午後7時までとしているからだ。 コインカウンターのケースに小銭を詰め終えたところで、噂の進藤くんがご出勤。
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