はっ・ひっ・フッ・へっ

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はっ・ひっ・フッ・へっ

 あまりの寒さに、目覚まし時計が鳴る前に目が覚める。として身体に毛布をグルグルに巻いて布団を抜け出し、窓に近づいてカーテンを開けて外を見ると、既に雪は止んでいて、十センチ程積もっていた。  嬉しくって何時もの十倍の早さで支度をして「行ってくる」と声を出し、返事を聞かず家を出る。  鼻唄を歌いながら半分スキップで歩き、学校に向かう。  途中、曲がり角の手前の道がツルツルで、やばい!と、思わす声を洩らす。(転ける)と思って目をつむり、一瞬が頭に(よぎ)る。身体が中を浮くと同時に、誰かに引寄せられて、一瞬で腕の中。相手の少し早めの心音が聞こえる。因にその腕の一本は私の後頭部へ、残りは腰へ、どちらもきつめに回されている。  現実と予想外の事が同時に起こり、身体が固まり、頭はパニクり、きっと表情(かお)は、ムンク。  そんな時、頭の上からと、鼻で笑われる。腕の中で恩人にむっとする。(鼻で笑うん誰や!)顔を見てやろうと、頭を動かすと、後頭部にあった腕がはずされ、その腕は腰へと回される。頭が、上半身が、自由になり、私より頭一つ上を見上げて、思わず!?っと驚きの声が漏れる。
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