再会

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 残念で寂しい答えだった。父はまた誰か妾を娶るだろうか。ふくさんとしては、宗次を引き取って育てたかったそうだ。しかし、そうもいかない。宗次は川野家に引き渡さなければならない約束だった。 「なので、これからは宗次と貴方が、川野家を支えていくのですよ」  ふくさんは、もう一度念強く口にした。中田さんは「承知いたしました」と、深く頭を下げてから、立ち上がる。 「私は、帰ります」 「停電の中、大丈夫ですか」  私はギョッとした。中田さんは小さく微笑んだ。 「大丈夫ですよ。慣れています。小さい頃は電気などほとんどありませんでしたから」  庶民として暮らしてきた、中田さんは狼狽えなかった。それに購入したばかりのランプもある。 「貴女はここへ居たほうがいいですね。ふくさんの家に泊まったほうがいい」  中田さんが言うと、ふくさんもその意見に賛成した。 「そうですわね。お屋敷のほうには、お電話かけておきます」  そう言ってふくさんは、立ち上がり電話がる壁のほうへ向かう。私は一人、中田さんを玄関で見送ることにした。
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