第1部/萌芽編ー相川夏美の抱えた性とコンプレックスの正体、そしてその原点ー

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第1部/萌芽編ー相川夏美の抱えた性とコンプレックスの正体、そしてその原点ー

中学2年の秋、文化祭の企画を巡ってクラスを二分した騒動を通し、後に南玉連合総長補佐として内部対立に紛糾する組織を”誘導”、”名策士”と称されるに至る相川夏美が、自身でその源流をたどった外伝パーツ・エピソード、3部作の初編”になります。 *********************************** その1 夏美 「夏美ぃ~、どうやら桃子のグループさ、案の定よ。文化祭のダンス大会はトンズラだわ」 「キヨミ…、あのさあ、それガセじゃあないよね?もし、あっちの”流し”だったら、こっちが取り込まれちゃうんだよ!」 「そりゃあ、100%とは言えないよ。でも、駆けずり回っての情報なのよ。難クセなら誰でもつけられるって!だったらアイコ、アンタ、他にネタ仕入れてるの?」 「いや…、あの、そのう…」 「じゃあ、お白洲にふんぞり返って偉そうにしないでよ!全くう…」 「まあまあ…、二人とも、ここは冷静に行こうよ」 はは…、この二人、年中こんなんだから…(苦笑) ... 「それで実際は、何人が不参加になるかな?それによっては男子の頭数も調整が必要だし…」 「うん。ええと…、レンコと仲良し4人組はダンス大会には当初から乗り気だったから、まず桃子には同調しないと思う。それと…、これは不確定情報だけど、マユミとタッコも…」 「えー!でもあの二人、桃子とは1年からだし、最も近しいでしょう…。ああそうだ…、夏美はその二人と陸上で部活一緒だから、どうよ、その辺は?」 「うーん、どうかな…。でもさ、仮に二人が不参加組に加わらなければ、差し引きで桃子と行動を共にするのは、彼女を含めて4人ってことになるわね」 私はさらりとかわしたわ いや、ちょっと強引気味だったかな…(苦笑) ... 「…ちょっと待って。転校生の朝野さんはさ、今は桃子と何でも一緒に行動してるけど、今回の件ではわからないわよ」 ふふ…、ここで先月転校してきた朝野さんが登場ね 「アイコ、なにか根拠でもあるの?」 「私も転校生経験者だからさ…。そりゃあ、最初に仲良くなった友達とは当面の行動は共にって心掛けたよ。でも、そのうち自分の考えに沿って、なんでもかんでも一緒ってのはだんだんね…」 さすが同じ転向生ということで、アイコの説明には説得力があるよね
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