思い出せなくなる日まで

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今朝ネットを観て驚いた。 あの女優さんの死去と報道されていた。 現在、死因特定に至ってはいないよ様だがマスコミは「自殺か?」と煽っている。 「相変わらず人の生死で飯を食ってるくせにあれこれと言いたい放題か?」 だから俺はテレビが嫌いだ。 残された遺族の感情にまで土足で踏み込んで来て、 マイクを向けては「今のお気持ちは?」と聞いてくるあれが特に腹が立つ。 ちょっと前に若くてイケメンの俳優が自殺したのも記憶に新しい。 息子よりは少し年が上だったが、親としての心情からして見れば他人事ではない話だ。 それを自殺じゃないとか言ってインターネットで騒ぎ立てるやつもいる。 その中にいい歳こいた俺ぐらいの大人が動画サイトの再生回数稼ぎのために煽っていたのも胸糞悪い。 「お前ら何か?関係者か?」と心の中に殺意に似た何かを感じる時がある。 俺も確かに他人の死ではあるが、心を痛める。 だから静かにご冥福を祈る。 余計の言葉はいらない「お悔やみを申し上げます。」 日本人ならこの言葉で十分だと思う。 実は俺は生きているが半分死んでいる様な精神状態でこの日常を過ごしていた。 テレビやネットの世界で誰かが亡くなるたびに次は自分だなと、 後少しで俺も死ぬんだろうなと考える。 死ぬ事に対して心の準備はもう始まっていたから当然といえば当然だった。
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