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――は、恥ずかしい……。
ピンクのライトの中でもわかる程、顔を真っ赤にした野々花は、耐えられずにぎゅっと目を閉じる。
と、その瞬間……。
野々花の唇に、瑞樹がそっとキスをした。
「ひゃぁっ……」
野々花は思わず声にならない悲鳴を上げると、照れたようにはにかむ瑞樹の顔を見上げる。
「もう一つプレゼント」
「え……?」
「ここでキスするんでしょ?」
「へ!?」
ドキッとした野々花から、思わず変な声が出た。
「教室で話してたでしょ? SNSで話題だって」
「え!? も、もしかして、瑞樹くん……あの話、聞こえてたの!?」
野々花は半ば叫ぶようにそう言うと、真っ赤になった頬を両手で覆う。
まさか瑞樹が、野々花と知美の会話を聞いていただなんて思いもしなかった。
――後ろの席で、友達と話してたのに……。
すると瑞樹は嬉しそうに、にんまりと口元を引き上げた。
「そりゃ当然、リサーチするよね」
「も、もう……」
野々花は恥ずかしすぎて、悶えるように顔を覆う。
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